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クックチルのデメリットとは?メリットや提供までの流れも解説

クックチルのデメリットは、食品を保存するためのスペースや冷却機器が必要で、スペースに余裕がない施設では導入が難しいことです。一度に大量の食事を作る特性上、献立メニューにも限りが出てしまいます。本記事では、クックチルのデメリットを紹介します。

クックチルは、あらかじめ調理した食事を冷やして保存し、食事を提供する前に温めるシステムです。衛生管理しやすく、食事の提供を効率よく進められるのが特徴です。しかし、保管スペースが足りないと導入が難しいことや、献立のバリエーションが少なくなるなどの課題も抱えています。

この記事では、クックチルのデメリットやメリットを紹介しています。提供の流れやニュークックチルとの違いについても解説しているため「実際に利用したらどう変わるのか」「導入時の課題は?」という疑問を持っている方はぜひ参考にしてください。

クックチルのデメリット

クックチルには、保管場所に余裕がない施設での運用は難しい、献立のバリエーションが限られるなど、導入にはいくつかの課題があります。以下のデメリットを押さえたうえで、導入を検討してみましょう。

ある程度の保管スペースが必要

クックチルは、大量に作った食事を急速に冷やし、保存しておく調理方法です。最大5日間保存できるため、それに対応できる十分なチルドスペースが必要になります。

また、大量の食事を冷却・再加熱するためには専用の機器が必要です。これらの機器は比較的サイズが大きいため、厨房スペースを圧迫してしまう可能性があります。

献立がマンネリ化しやすい

クックチルは、一度にたくさんの食事を作るため、どうしても同じようなメニューが続きやすくなります。また、調理したものを冷やして保存し、提供時に温め直すため、料理によっては風味や食感がそこなわれることもあります。

とくに、炒め物や揚げ物はシャキシャキ感やサクサク感がなくなりやすいため、クックチルにはあまり向いていません。

高齢の方にとって、食事は毎日の楽しみのひとつです。しかし、クックチルでは作れる料理が限られるため、同じようなメニューが続くと飽きてしまい、食欲が落ちる可能性があります。

献立のマンネリ化を防ぐためには、旬の食材を取り入れる方法がおすすめです。たとえば、春にはタケノコ、秋にはサツマイモを使うと、季節を感じながら食事を楽しめます。

さらに、お花見弁当やクリスマスディナーなど、イベントに合わせた特別メニューを取り入れるのもよい方法です。食事の楽しみが増え、食欲の向上にもつながるでしょう。

クックチルのメリット

クックチルを導入することで、衛生管理の向上や人手不足の解消、調理の効率化など、さまざまな利点があります。以下では、クックチルのメリットについて紹介します。

調理の効率が上がる

クックチルを導入すると、調理の負担が減り、スタッフの作業が楽になります。通常の調理では、作った料理を2時間以内 に提供することが望ましいですが、下ごしらえを前もってしておくのも難しいため、毎回ゼロから調理する必要があります。

クックチルなら、あらかじめ料理を作って冷却・保存できるため、提供直前に一から調理する必要がありません。時間に余裕があるときに作り置きができ、最大5日分のストックも可能です。

さらに、朝食・昼食・夕食といった忙しい時間帯でも、事前に作った料理を温めて盛り付けるだけで提供できるため、スタッフの負担が軽くなります。効率よく調理を進められるため、安定した食事提供ができるのがメリットです。

※出典:厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアルの改正について」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000168026.pdf)
※出典:一般社団法人日本医療福祉セントラルキッチン協会「医療・福祉施設へ食事配送するセントラルキッチンを対象とするHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引書」(https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000487116.pdf)

衛生面の安全性を担保できる

高齢の方は体の抵抗力が弱くなっているため、食中毒になると重症化しやすく、食事の衛生管理がとても大切です。クックチルを使えば、細菌の増殖を抑えて、安全な食事を提供しやすくなります。

衛生面の安全性を確保できる理由は、クックチルでは調理方法が細かく決められているためです。調理した料理はすぐに急速冷却し、低温で保存することで、細菌が増えるのを防ぎます。また、提供する前に温め直すことで、万が一細菌がついていても加熱で死滅させられます。

また、二次汚染のリスクを抑えられるのもメリットです。生の食材を扱う機会が少なくなるため、食材が細菌に汚染されるリスクを減らせます。「作った料理を冷やして保存 → 必要なときに温めて提供」という流れになるため、調理場を清潔に保ちやすく、衛生管理がしやすくなるでしょう。

人手不足の解消やコスト削減につながる

クックチルを取り入れることで、人手不足やコストの悩みを軽減できる可能性があります。あらかじめ料理を作って保存しておけるため、当日の調理の手間が減り、少ない人数でもスムーズに食事を提供可能です。

もし調理スタッフが急に休んでしまっても、事前に作った料理がストックされていれば、少ない人数で対応しやすくなります。そのため、人手不足の影響を受けにくくなり、安定して食事を提供できます。

また、クックチルなら計画的に調理・保存ができるため、作りすぎて余ることが少なくなり、食品のムダを減らせるのもメリットです。一度にたくさんの料理を作れるため、食材の管理がしやすくなり、コストも抑えられます。

クックチル提供までの流れ

クックチルでは、調理後に急速冷却→低温保存→再加熱という工程をへて提供されます。ここでは、クックチルを使った食事提供の流れを紹介します。

調理

クックチルでは、食材を一度に大量に調理し、炒め物や煮物、スープなどをまとめて作ります。調理の際、食材の中心温度を75℃以上 に加熱して、食材を適切に殺菌することが大切です。

食材の中心温度を75℃以上 にする理由は、食中毒の原因となる細菌の多くは、75℃以上加熱することで死滅するためです。サルモネラ菌や腸管出血性大腸菌(O157)、カンピロバクターなど、下痢や嘔吐、発熱といった食中毒の症状を引き起こす代表的な細菌に効果的です。

また、加熱する際は食材の表面だけでなく、中心まで十分に加熱できているかを確かめる必要があります。表面だけが75℃以上に加熱されていても、中心部分が十分に加熱されていなければ、食中毒菌が生き残る可能性があるからです。

急速冷却

調理が終わった後は、冷却機材を使って素早く冷却します。急速に冷やす理由は、細菌が増えないようにするためです。細菌は温かい温度(10〜60℃ )で元気に増えるので、クックチルでは調理後30分以内に冷却を始め、90分以内に食品の温度を3℃ 以下に下げて、細菌の増殖を防いでいます。

冷蔵・冷凍保存

クックチルでは急速冷却した後、食品は0〜3℃ で保存されます。この低い温度で保存することで、食品は新鮮さを保ちながら衛生的に管理され、最大5日間まで安全に保存できます。

再加熱

食事の提供時間になったら、チルド室から取り出した食品をもう一度加熱します。このとき、食品の中心が75℃以上になるように温めることが大切です。

クックチルでは、調理後に急速冷却をして食品を低温保存しますが、この段階では食材を完全に殺菌できているわけではありません。再加熱で食品の中心まで温めることで、残っているかもしれない細菌やウイルスを死滅させられます。食事を安全に提供するためにとても重要な工程です。

提供

再加熱が終わったら食品を食器に盛り付けて、利用者に提供します。クックチル方式では、提供前に温め直すため、温かく美味しい状態で食事を届けることが可能です。

上記は、施設内での調理工程でしたが、外部に委託している場合は、調理・急速冷却までの工程は必要ありません。外部の業者が冷やした状態で配達してくれます。

また、施設内でクックチルを使って食事提供する場合は、食事の安全を守るための温度管理と記録付けが非常に大切です。適切な温度で加熱・冷却・再加熱を行うことで、細菌の繁殖を防ぎ、安全な食事を提供できるためです。

また、記録を取ることで、万が一問題が発生したときにも、原因を特定しやすくなります。クックチルを利用する際は、スタッフ全員が正しい温度管理を行い、適切に記録を取るように働きかけることが大切です。

クックチルとニュークックチルの違い

ニュークックチルは、クックチルの進化版です。クックチルのよい点を活かしつつ、さらに便利に進化した調理方法です。どちらも事前に調理した料理を冷蔵保存し、提供前に温め直します。

しかし、ニュークックチルは、事前に盛り付けまで完了させておくので、再加熱するだけで食事をすぐに提供できる点に違いがあります。以下で、クックチルとニュークックチルの違いについて紹介します。

提供までの流れ

提供までの流れを、外部セントラルキッチンを事例に紹介します。

クックチルの流れ
1.外部セントラルキッチンで食材を加熱調理する

2.調理した食材を急速に冷やして保存する

3.施設へ配送

4.施設で提供前にもう一度温める

5.盛り付け

6.提供

一方、ニュークックチルの流れは以下のとおりです。

ニュークックチルの流れ
1〜2はクックチルと同じ工程です。

3.冷たい状態で事前に盛り付ける・再加熱カートで冷却

4.盛り付け済みの料理を温め、そのまま提供する

クックチルとニュークックチルは盛り付けのタイミングが違います。クックチルは再加熱した後に盛り付けますが、ニュークックチルは冷たい状態で事前に盛り付けておき、再加熱後にそのまま提供します。

提供までのスピードや手間

クックチルとクックチルの進化であるニュークックチルは、食事を盛り付けるタイミングが違うため、提供の速さやスタッフの負担が変わります。クックチルでは、食事を温めた後に盛り付けるため、提供までに時間がかかります。

とくに、食事の数が多いと、盛り付け作業に時間がかかり、スタッフの負担が大きくなるのが難点です。忙しい時間帯には、スムーズに提供するために多くの人手が必要になる可能性もあるでしょう。

ニュークックチルでは、事前に冷たい状態で盛り付けておくため、提供時は温めるだけで済みます。盛り付けは手袋をつけた手で行え、スタッフの負担も軽減されるため、朝食時など人手が足りない時間帯でも対応できます。加熱後にすぐに提供できるため、温かい状態で食事を出せるのもニュークックチルのメリットです。

F&BTでは、長年飲食業界で培ったノウハウを活かし、介護施設や病院などのご利用者様に明日への活力、元気の源となるような「食」を提供しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ

高齢者がいる施設で食事を提供する際は、食べやすさだけでなく、提供のしやすさや衛生管理のしやすさも重要です。また、スタッフの負担や人的コストを増やさないためにも、調理の効率性の向上も大切です。

クックチルでは、調理した食材を急速冷却し、真空パックで保存します。必要なときに再加熱すれば、すぐに安全で美味しい食事を提供できます。最大5日間保存可能なため、事前に食事をストックしておけるのが便利です。

ただし、自社でクックチルを導入する場合、温度管理や記録の取り方など、細かい管理が必要になるため、時間と手間がかかります。専用機器の導入費用もかかるため、負担を減らしたい施設では、外部の業者に依頼するのもひとつの方法です。

F&BTは、セントラルキッチンで調理された食材を急速に冷却し、真空パックでお届けします。プロの栄養管理士が栄養バランスに優れた献立をご提案し、ご希望に合わせた安心・安全な食事をお作りいたします。

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