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ムース食のデメリットとは?メリットやほかの介護食についても解説

ムース食とは、食材をやわらかく加工し、ゼリーのように舌でつぶせる食事のことです。噛む力や飲み込む力が弱くなった方に向いており、誤嚥を防ぎながら食べやすくする工夫がされているのが特徴です。しかし、ムース食にもデメリットがあり、場合によってはほかの介護食のほうが合っているケースもあります。

この記事では、ムース食のデメリットやメリットについて紹介しています。また、ほかの介護食についても解説しているため「利用者の状態に合わせた食事を提供したい」「どの介護食を選べばよいのかが分からない」という方はぜひ参考にしてみてください。

ムース食のデメリット

ムース食は、嚥下や咀嚼が難しい方に適した食事です。しかし、作るのには手間がかかり、コストが高くなりやすいのがデメリットです。施設でムース食を導入する際には、以下の点を考慮しておくことをおすすめします。

調理に手間がかかる

ムース食は、普通の食事よりも作るのに時間や手間がかかるため、忙しい現場では効率が落ちる可能性があります。ムース食を作るためには、まず食材をやわらかくするために加熱し、その後ペースト状にして、ゼラチンやゲル化剤で固めるという手順が必要です。

とくに食材をなめらかにするために潰す作業や、食材をもとの形に整える作業には時間がかかります。

さらに、ムース食ではとろみや固さ加減が非常に大事です。利用者が食べやすく、喉に通りやすくするための工夫が必要なため、調理にはコツや経験が求められます。誰でも簡単に作れるわけではない点が、ムース食のデメリットといえるでしょう。

コストがかかる

ムース食を作るためには、食材のほかにゼラチンやゲル化剤などの材料が必要です。食材をきざむだけのきざみ食や、食材をやわらかくするソフト食に比べてコストがどうしても高くなる点がデメリットです。

また、ムース食の調理には、フードプロセッサーやミキサーなどの機器も必要になります。もし施設にこれらの機器がなければ、新たに購入する必要があり、その分の費用がかかります。

さらに、ムース食は食材をやわらかくしてから固める手間がかかるため、きざみ食やソフト食よりも調理時間が長くなります。スタッフの拘束時間が長くなることで、人件費が増えてしまう可能性もあります。

ムース食のメリット

ムース食は、食材をゼリー状の形状に成形するため、誤嚥を防ぎやすい、食事介助の負担を軽減できる、食欲を引き出しやすいといったメリットがあります。以下では、ムース食を施設で導入した場合のメリットを紹介します。

誤嚥を防げる

ムース食は、高齢者が食べ物を誤って飲み込む「誤嚥(ごえん)」を防ぐのに役立ちます。誤嚥とは、食べ物が食道ではなく、間違って気管に入ってしまうことです。

通常、食べ物は口から食道を通って胃に届きますが、誤嚥が起こると気道に入り込み、呼吸がしにくくなる、または咳き込む原因となります。誤嚥性肺炎を引き起こすこともあり、介護食を作る際は注意が必要です。

ムース食は食材をやわらかくし、適度な粘り気をつけて仕上げることで、飲み込みやすさを高めます。きざみ食とは異なり、口の中で塊ができやすいため、噛む力や飲み込む力が弱くても食べ物が喉に引っかかりにくくなります。

食事介助しやすい

ムース食は、スプーンですくいやすく、噛まずに飲み込めるため、食事介助の負担も軽減できます。とくに飲み込みが難しい方は誤嚥のリスクがあるため、食事を提供する際は介助者は慎重に対応しなければなりません。注意深く介助する必要があるため、食事に時間がかかります。

しかし、ムース食を使えば、食事介助がしやすくなるため、スタッフの負担も少なくなります。利用者もスタッフも、安心して楽しく食事の時間を過ごせるようになるでしょう。

食欲低下を防ぎやすい

高齢者は年齢とともに味覚が衰え、消化も落ちるため、食欲が減りやすい傾向があります。ムース食なら、味や匂いだけでなく見た目からも食欲を引き出せるため、食べる気持ちを刺激してくれます。

病食は、きざんだだけの料理、どろどろした料理など、見た目からは食欲をそそられにくいのがデメリットです。とくにペースト状にした食べ物だと、見た目からは味が想像できないことが多く、食欲がわきづらくなるのが難点です。

しかし、ムース食なら食材をやわらかくつぶして形を整えることで、肉や魚、野菜などをもとの形に近づけられます。色合いや見た目がよくなることで、食事が目でも楽しめるようになるのがムース食のメリットです。

ムース食以外の介護食の種類

介護食にはさまざまな種類があり、利用者の咀嚼や嚥下機能に応じた食事を選ぶことが大切です。ここでは、ムース食以外の介護食の種類や特徴について解説します。

きざみ食

きざみ食は、食材を小さく刻んで食べやすくした料理です。みじん切りから2㎝ほどの大きさ まで、食べる人の状態に合わせてカットします。硬いものや大きな食材を噛むのが難しい方でも食べやすいのが特徴です。

ただし、飲み込む力が弱い方や唾液が少ない方には向いていません。食材によってはパサつきやすく、口の中でバラバラになって飲み込みにくいものもあります。その際は、とろみをつけるなどの工夫をして、安全に食べられるようにすることが大切です。

こちらの記事では、きざみ食について解説しています。作る際の注意点も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

ソフト食

ソフト食は、食材の形を残しながらも、やわらかく調理された料理です。歯ぐきや舌で簡単につぶせるため、硬いものや大きな食べ物が難しくなった方でも、無理なく飲み込めます。

普通の食事は硬くて食べにくいけれど、やわらかければ大丈夫という方や、噛む力や飲み込む力が弱くなった方にぴったりの食事です。

こちらの記事では、ソフト食について解説しています。ミキサー食との違いやメリット・デメリットについても取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

ミキサー食

ミキサー食は、食べ物をミキサーにかけてポタージュのようになめらかにした食事です。スプーンですくえるくらいやわらかくすることで、噛まずにそのまま飲み込めるようになります。

とくに噛む力や飲み込む力がほとんどない方や、食事中にむせやすい方に向いています。ただし、水分が多すぎると喉に流れ込みやすくなるため、とろみをつけるなどの工夫が大切です。

こちらの記事では、ミキサー食の作り方と注意点について解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

流動食

流動食は、噛むことや飲み込むことが難しい人のために、液体状にした食事のことです。水分が多く、とろとろとしているため、飲み込む力があまり必要ありません。

流動食としては、具の入っていないスープや重湯(粥の上澄み)、ヨーグルトなどがよく使われています。栄養を飲み物として摂れるため、消化に負担をかけたくない方や、噛む力・飲み込む力が落ちてきた方に適した食事です。

ムース食に適している人の特徴

ムース食を導入する際に、悩むのは「どんな症状や状態の人にムース食がぴったりなのか」ということでしょう。ここでは、ムース食をおすすめする人の特徴を紹介します。

株式会社F&BTでは、公式サイトからお問い合わせができます。介護食のお悩みなどお聞きし、適切なサービスを提供しますので、お気軽にお問い合わせください。

咀嚼や嚥下が困難な人

ムース食は、咀嚼や嚥下が難しくなった方でも、安全においしく食べられるように工夫された食事です。ゼリーのようにやわらかく、舌でつぶせるほどなめらかな食感なため、無理なく飲み込めます。

すべてをペースト状にすると噛む機会が減って、噛む力が衰えやすくなる可能性があります。ムース食はやわらかく、わずかに噛むことができるため、無理のない咀嚼が可能であり、噛む力の維持にもつながります。

ほかの介護食では食事が困難な人

ムース食は、ほかの介護食では食べにくい人におすすめの食事です。食材をやわらかくし、ゼリーのような形にすることで、無理なく飲み込めます。

きざみ食は、口の中でバラバラになって飲み込みにくいことがあります。また、水分の多いミキサー食は、さらっとしすぎていて、うまく飲み込めずむせてしまう方も多いでしょう。その点、ムース食はほどよくまとまりがあり、喉をスムーズに通りやすいため、安全に食べられます。

まとめ

ムース食は、噛む力や飲み込む力が弱くなった方でも、安全でおいしく食べられるように工夫された介護食です。食材をなめらかにし、やわらかさや粘り気を持たせることで、誤嚥を防げます。

また、見た目や味を工夫することで、食欲を引き出しやすいのも特徴です。「食事を楽しんでもらいたい」「低栄養状態を防ぎたい」と考える現場でも、ムース食は役立つ選択肢のひとつとなりえるでしょう。

施設でムース食を作るには時間と手間がかかりますが、外部業者に依頼することでスタッフの負担を減らせます。「フレッシュアンドベストタイム」では、献立作りから調理、提供までを施設に常駐するスタッフがサポートいたします。

また、冷却保存された調理済み料理「クックチル」を使用することで、手間なくおいしい食事の提供も可能です。不安な方は無料試食サービスで、味やサービスの品質をご確認ください。

株式会社F&BTでは、無料訪問の調理サービスを行っています。毎月の献立作りでお悩みの際にはぜひお問い合わせください。

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